前を歩いてる男性をまたもや発見した。
あの髪型は絶対赤也で間違いない。

バッグを担いで、ふああ〜とのんきにあくびしているところを真後ろまで気配を消して近付いて、見なくてもわかるアホ面に

「ばかワカメ。」

と声をかけると、赤也はバッとこちらを振り向いて思い切り顔をしかめる。
赤也も24歳ということでかなり背も伸びて大人っぽくなったが、ちょっと子供っぽさも残ったかっこかわいい男の人になっていた。


「ちょっ、ええ?!先輩ッスよねえ?!幻?!」

そういってあたしの頭や肩をたたいて本物かどうか確かめ始めた。
声も低くなっていたくせに中身は全く変わっていないようだ。今でもサンタクロースを信じてるのかなあ・・・。

「久しぶり、赤也。一昨日日本に戻ってきて急遽こっち手伝うことなったんだ!」
よろしくね、というと赤也がやっと笑顔になって「先輩会いたかったっすー!」とあたしをぎゅうと抱きしめた。

こらこら、ここは欧米式じゃないよー!と言ってると、「赤也、何やってんだ?」とこれまた聞き覚えのある声が赤也の後ろから聞こえてきたものだから、赤也の腕を解いてひょこっと顔を出してみた。

「丸井君!ジャッカル君!」

そいういうと、二人は赤也同様あたしだということがすぐわかったようで声をそろえてあたしの名を呼ぶ。
ちょっと!丸井君髪の毛赤いままじゃん!大丈夫なの?てか10年経った今も3人は仲良しなんだと思うと心が温かくなった。

「二人ともちょっといい男になったじゃん!」

二人がこっちに駆け寄ってきて、まじまじと顔を見つめる。すると照れたように「あんま見んな!」と顔を赤くして顔を背けた。
「先輩!俺はどうっすか!」と赤也も聞いてきたので赤也もいい男だよと言えば喜んでいた。扱いやすさも変わってない。

「あ、まだいっぱい話したいんだけど用事あるんだった!」
精市に早く会いたくて仕方がない!早く探して、見つけて会って10年分抱きしめてもらいたいし、なによりも声が聞きたい、今の精市が見たい!
赤也もここに居るとすればもう精市が着てないはずはない!

「じゃ、またあとでゆっくり語ろうねー!」と庭に向かった。


残された3人はと再会できたことを非常に喜んでいた。
アメリカに行ったきり全く音沙汰もないしそのまま何年経っても帰ってこないし、ちゃんとやっているか不安にも思っていたのだ。

丸井、切原、ジャッカルは顔を見合わせたが3人とも真剣な表情を浮かべており、目を逸らし沈黙が流れたが、ジャッカルが口を開いた。

「あの様子だと、まだ幸村に会ってないようだな。」

そして丸井が頷く。
「そうだな、でもどうにかするだろぃ?ジャッカルが。」
「俺かよ!」

そして黙っていた切原が口を開く。

「大丈夫か心配っすよ、俺。」


そういうと3人とも口を閉じた。
を心配しつつも、とりあえず部屋に戻りジャージに着替えることにしたのだ。


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