源内の殺害という任務を言い渡され、そのままヴァリアーの屋敷へと来た。 あたりはすでに暗く、深夜1時を回ったところだろうか。 ちょっと遅くなりザンザスの機嫌が悪いかも。 Mi
chiamo arma. 部屋の前で「ザンザス、入るよ」と言い、返事が返ってくる前にその部屋に入るとヴァリアー幹部全員がテーブルを囲んで座っていた。 一人、ってか一体?見たことないメンバーが増えていた。 ヴァリアーにロボットって・・・。 「遅ぇ」 ザンザスはあたしを睨み付けたがそんな怖くない。 「ごめんってば。でも吉報もあるの。まず任務が完了したからもうイタリアに戻れるんだ。 もうひとつは9代目直々に沢田ファミリーに入らなくていいって許可もらった。」 「ししっ!やったじゃん!」 「そうね!これでと殺しあわなくて済むわ!」 は?殺しあう?なんでそんな言葉が出てきたの? 「殺しあう、って何?万が一沢田ファミリーに入ったとしても別に殺しあわなくても・・・」 顔をゆがめてそういうとルッスーリアやベルが意味深な笑みを浮かべ、それに不審を抱いているとザンザスが何か小さな光るものをあたしに投げてきたのでキャッチ。 手の中のものを見て首をかしげた。 「指輪…?なに、プロポーズ??」 あたしの言葉にザンザスは鼻で笑った。 「ボンゴレリングだ。お前にやる。カス鮫のせいでまだ不完成だがな。」 「ゔお゙ぉぃ…」 「だっせーの!」 どうやらスクアーロがわざわざ日本へ行ってリングのもう半分を門外顧問バジルから奪還してきたつもりがフェイクだったらしい。 アホだ。んな大事なものバジルなんかに託すはずがない。きっと囮だ! 言ってくれればあたしが間違いなくやってきたのに! ちなみにもう奪還に失敗した分はやっぱ沢田たちの手に。 「へえ。それにしてもボンゴレリングって・・・。なんであたしに?」 ボンゴレリングなんてあたしには無縁だと思っていた。 ザンザスがボスになればリングは彼らのものとわかっていても リングなんてボスの幹部たちが付ける物だし。 それに結局はあたしはブイヨで、ヴァリアーなんて仮の姿ってだけで関係ないと思ってたのに。 「決まってるだろぉ!のは宇宙のリングだぁ。使命的にお前しか居ねえぞぉ!」 う、うちゅう?なんか天気とか気候に関係なくない? その使命とやらを聞くと 「大空も支配する無限空間」 「敵対するものに混沌を招き塵と化す、解明不可能な謎多き無限空間」となること。 なるほどね。そりゃあたししかこのリングにふさわしいのはいなはず! あたしの能力や存在に宇宙のように謎が多く、人間離れの能力で混沌、その身体能力は宇宙並に計り知れない。 闇に消すブラックホールのような、空中も歩ける他人から見れば無重力のような、光速の瞬間移動ような ビッグバンの破壊力のような能力。そして危険度。 「ありがたく受け取るわ。」 日本に残りのリングを取りに行き、始末するために全員椅子から立ち上がった。 「でもあたしまず学校辞めるしマンションに荷物おきっぱだから先に行くわ。」 「わかったよ、気をつけてね。」 マーモンのその言葉を聞いてあたしは皆に背を向け手を振り、歩きながらその場から消えた。 初めてみるあたしの瞬間移動にみんな驚いたようで、その顔が面白かった。 そういえばザンザスでさえあたしの能力知らないんだっけ。 直行で日本へ行くことにした。 イタリア滞在期間1日。でも1日分以上の大量に良い収穫を得た。 日本につくまで少し眠ろう。 □□□ 日本についたのは翌日の夜だった。 もう時差でわけが解らない。 空港からタクシーにのり、自宅に戻ったがおなかがすいたので近くのカフェへ行くことにした。 腹がすいては戦ができぬ、ってね。 腹ごしらえをしてこれからくる殺し合いって殺していいのかな?まあいいや。 それにそなえてウォーミングアップでなんか殺してこよう。 にしても、忙しくてちゃんとした和食というものを一回も食べずに今回の任務が終わった。 このリング奪還中に皆でちゃんとした高級な和食を食べれたらいいな! 急に強めの風が吹き、あたしの長い髪が舞う。 風が吹いた方向を何気に上を見上げるとレヴィの雷撃隊が頭上をとおり過ぎ去った。 住宅街で姿こそ見えないが、100mほど向こうのほうによく知った気配があることに気づく。 「もう着いたんだ。速いなあ、さっすが。」 あたしが察知したのはレヴィの部下が飛び回っている気配と、沢田たちの気配。 ってことはもうすぐザンザスと沢田が顔を合わすのか。ちょっと面白そう! どーせリング戦で顔合わせるんだし今からバラした方が逆に恐怖を与えることができるかもしれない。 進行方向を変え、うっすら笑みを浮かべ早歩きで面白そうな場所へ向かった。 面白そうな場所にだいぶと近づき、声が聞こえてくる。 曲がり角を曲がったらすぐそこに沢田たちファミリーと憤怒の炎発射2秒前ほどのザンザスの姿。 笑みを深くしたが、すぐに演技に入り緊迫した雰囲気を壊すように声を上げる。 「きゃあ!」 こんな叫び声、あたしには似合わない。所詮演技。 沢田やヴァリアー全員がこっちを向いた。 とりあえず憤怒を引っ込めたザンザスを見て、ま恐怖におびえたような顔をして顔を真っ青にし、腰を抜かしたようにしゃがみこんだ。 まあそりゃ一般人がこの光景を見れば当然こうなるだろう。 あたしの思惑に気づいたんだろう、ヴァリアーは黙ってみている。面白そうに見ている奴も居るし。 「!?」 いきなり現れてしまったあたしを見て沢田たちのあせった顔がとても傑作だ。彼らの認識ではあたしは一般人だからね。 「!ここは危ない、逃げろ!」 獄寺がそう叫ぶがあたしは動かない。涙をためてガタガタと震えてみせる。 すると山本があわてて駆け寄って、腕をつかみあたしを立ちあがらせると庇う様に自分の後ろに隠した。 意外だった。 てっきり放置すると思ったのに。 一応あたしは彼らの前では一般人なわけだ。 そしてヴァリアーは恐ろしい敵。その敵から守ってくれようとしたのか。 とことん甘い奴。敵ならば最後まで敵という認識しておかなくっちゃ! 「、」 あたしの猿芝居に呆れたようにザンザスがため息を一回つき、呼ぶ。 という名前に、その場で獄寺にしがみついていた源内の眉がピクリと動いたのを見逃さない。 あたしは一番前に居る沢田の前に出て行き、沢田のほうを向く。 「、危な「残念でしたー。」え?」 危ない、と言いかけた沢田に言葉をかぶせて思いっきり鼻で笑ってやった。 そのまま後方にジャンプしてザンザスの横に着地する。 「演技下手すぎー!」 ニィっと笑ったベルに言われちょっとにらむ。 「・・・?」 右手をスクアーロの肩に乗せもたれかかり、沢田たちがポカーンとしてあたしを見つめてきて、それが滑稽すぎて笑えてくる。 空いたほうの手でわざとらしく腹を抱え笑ってやった。 「ツナ、顔を引き締めやがれ。」 いまだ状況がつかめないらしい沢田に家庭教師がパンチを入れる。 戦闘能力より状況把握力を付けてあげたほうが良かったんじゃない? 「え、が、え?どーゆー事!?」 「。それがあいつの本名だ。」 「ええええ!?どーゆーこと!?」 「そのまんまだ。ヴァレアーの。マフィア界では恐れられているが 安心しろ、フゥ太のランキングでは夏依の方が上だ。」 「ちょっとアルコバレーノ、余計なこというのやめてくんない?」 本当はランキングだってあたしのほうが上なのに。 あんなメス豚より下に見られるなんて不愉快極まりないんだけど。 ひしひしと感じる沢田側の殺気をあびて、とても心地はいいんだけどね。 「で、宇宙は誰なのかしら。」 挑発的に笑うと「あたしよ」と、獄寺から離れ一歩前に出てこっちをにらむ源内。もう超ラッキージャン、あたし。 □□□ ・・・いや、の行動が全く読めない。超直感がきかない。 「そう、やっぱあなたなのね・・・」と目を伏せながら言葉をこぼした瞬間その場から消えた。 思わず、え?と目を見開いたと同時に横にわずかな風を感じ、慌てて夏依ちゃんをみると彼女の目の前には、今にも首を突き破ろうと指の先をそろえるがいた。 月明かりでよく見えないが表情は愉しそうに笑い、首に近づく爪は酷く尖っていた。 速すぎて体が動かない。夏依ちゃんだってにまだ焦点が合ってない。本能が危ないと告げている。 全てがスローモーションで、「夏依ちゃん!」と言おうとするが、声を出すまでにきっと終わっている。 それよりも体が反応し、慌てて仲間の死を阻止するべく手を伸ばすが自分の手や獄寺君のダイナマイトどころか、リボーンの早撃ちでも追かない。 やばい、源内の首に手がかかる・・・!というときにの足元に鶴嘴が刺さった。 「待て、。そこまでだ」 の手は源内の首のど真ん中の爪が少し掠った所で止まった。手を下げたを見て周りも自分もホット胸をなでおろしたのがわかる。 腰を抜かしたのか首を抑えながらしゃがみこむ夏依ちゃんの元まで駆け寄り、鶴嘴が飛んできたほうに全員が注目した。 □□□ 「待て、。そこまでだ」 手を下げて鶴嘴が飛んできたほうを睨むと、そこにはバジルたちを引き連れた家光が立っていた。 あとちょっとってとこだったのに。こいつは邪魔ばっかりする。 「つまんない。」 舌打ちをして元居た場所に戻り、横に居たスクアーロに軽くだけど一発わき腹にパンチを入れると呻き声が聞こえた。 ここからは俺が取り仕切らせてもらう、と言った家光にザンザスが怖いほど睨みつけ、スクアーロも少し戦闘態勢だ。 門外顧問なんて本当要らないんじゃない? 面倒くさくなって家光の言葉を聞くのをやめ、源内の様子をずっと見ていた。 本当にマフィアランキング2位?不意打ちしたあたしもあたしだけど。 あたしが強すぎるんだろうか。 2位でも何位でもいいけど弱いには変わりないや。2位って事でちょっと期待してたのにな。 はぁ、とため息をついたときに聞こえてきた家光の「同じ種類のリングを持つ同士の1対1のガチンコ勝負だ」という声に深いため息をついた。 それにチェルベッロ機関まで出てくるし。 面倒くさい。 「とっとと殺せばいいんじゃない。こんなやつら。生きてる価値あんの?」 あくびをしながら言う。 「、9代目はお怒りだ。」 「は?」 凄い血相でこっちを睨む家光を睨み返した。 「もし公式な場以外で相手を殺してみろ、お前はボンゴレに居られなくなるぞ。」 「だから何だってゆーの?」 笑ってやるとより一層家光の顔が怖くなった。 「それが脅しにでもなると思ってるの?別にいつでも追い出してもらって結構よ。 ただ、そうなると黙ってない12人が居るってことを頭に入れておいて。 まあその12人もボンゴレをやめてあたしを追ってくると思うけど、そうなると危ないのはボンゴレのほうよ。 死にたいなら、全てを失ってもいいって言うならあたしをどうしてもらっても結構。」 笑って言うあたしに家光は何も言い返さなかった。 ちなみに言えば12人、とはもちろんブイヨ全員のことだ。 最初は9人だったブイヨもここ半年でエストラーネオ実験台が数人見つかり12人となったらしい。 あたしから家光との視線をはずすと「帰ろうよ」と呼びかけ、不機嫌そうなザンザスが沢田を一睨みしてあたしたちはその場を立ち去った。 頭の中は殺し方でいっぱい。 やりかたは数100通り (選ぶのはその中でも1番むごい方法) |