今日も学校へいけばきっと、笹川はおもしろいことを用意してくれているんだろう。おもしろいことを楽しむには少しばかり自分を犠牲にしないといけない。だから、楽しむためにあたしは一発やニ発は殴られてもいいかもしれない。

例えば、教室入った瞬間にぶん殴られるとか。別に今日はそれに付き合ってあげれる気分だ。なぜなら、本当に楽しいことが起きる予感がするのだ。ソレが何かは、未来を先読みしないで楽しみにとっておこうとおもう。




Mi chiamo arma.







「おはよ。」
「やあ、おはよう。」

校門に立つ恭弥に軽く挨拶して軽い足取りで教室まで行く。楽しみにしていた教室の扉を開けるとほら、獄寺隼人の指にリングの付いた拳が飛んできた。あたしを吹っ飛ばすには全然威力が足りないけれど、気分がいいので尻餅をついてやった。

「いったいなあ、朝っぱらからアドレナリン上がり気味?」
「開き直りやがって!クソ女!!」

痛くもない頬をさすながら皆を見ると、ところどころ泣いており、みんなの顔は怒り一色。教室の中をのぞくと、あらまあ!あたしの机以外なくなっていて、黒板には2A 30名追悼式と書かれていた。心よりお悔やみ申し上げます、、と下に書かれていた。

こんなことでばかばかしい、と小さく呟くと、周りの男子はカッとなったようで。
「あぁ?勝手に人を殺しといてそれか!許せねえ・・・!!」
「お前が死ねよ!!」
と怒鳴った。それにあたしはあきれてため息をつく。
「あたしが馬鹿馬鹿しいって言ったのはそういう意味じゃなくてさあもっと違うところなんだって。」

なんだよ、と言いたそうな顔でこっちを見る皆。

「あんたたちが死んだって、お悔やみ申し上げないって。ここにいる誰が死のうともあたしには関係ないよね。はは!」

あたしが笑ってやると、背中に鋭い痛みが。振り向くと山本が野球で使ってる剣に変わらないバットであたしの背中を一発!あーあ、気配よむの忘れてた!山本的にはきっと精一杯殴ったんだろうけど、まあ残念。ダメージ4くらい?
「山本、いまだよ」
そういって沢田はあたしの両腕を押さえ込んだ。
「俺らもお前が死んでもお悔やみ申し上げねえからよお、まじで死んでくんね?」
そういい、あたしの頭めがけてバットを振り下ろす。
おいおい、その年で犯罪者かよ。まあマフィアとしてはなかなか優秀になったんじゃないの?ほらほら、殺意向上84%だって!あとちょっとで山本武、の殺意向上訓練は終わり。
沢田も極寺も目標値70%過ぎたね。あとひと踏ん張りかなあ!

両手をつかまれたってあたしは抵抗を一切しない。なぜなら、バットは振り下ろした瞬間に一瞬にして粉々になった。

「なっ!」

「あれえ、君の使ってるバット、不良品?それともバットに嫌われてる?野球のセンスないんじゃなあい?」

あたしの頭に振り下ろされるはずだったそのバットに殺気を当てればバットはあたしの殺気に耐えれなくなって破壊される。
あたしは、物の一箇所を集中的に殺気をあてることによってそれを潰せる。人を殺したりまでは出来ないけど失神させることは出来る。以前にあたしが嫌いな奴相手にキレてしまって殺気をあたりに放出したことがある。そのときは周辺の草木が枯れて相手の人間は金縛り状態。まあそのあと拷問的な殺人をしてあげたけどね。
とにかく、それほどあたしは強い殺気を出せるのだ。


「っつーか、机ないんだったら自分の席だった場所に体育座りでもして座っとけば?」

少し笑いながら自分の席に着く。その後にきた担任に「お前等机はどうした!!ふざけているのか!取りに行け!物を粗末にするな!」と怒られてたのを見てあたしは楽しくて仕方がなかった。あたしが机を放り出したと思ってる彼らにとってこれほど屈辱的なことはないだろう。愉快。



□□□

屋上に行けば、トマゾファミリーが会議みたいなものをしていた。
あたしが屋上に入ったことにロンシャンは気づいたらしく、「ちゃ〜ん!この前の仕返し受けてくれるかな!ドキドキ!」とか言い出した。
そして、前髪で目が隠れてるこの女の名前はなんだっけな?パンチラのような卑猥な名前のような気がする。そうだ、パンテーラだ。彼女はあたしに風車を投げてきた。

それをささっと避けてトマゾファミリー全員に金縛りをかけた。そしてゆっくり歩み寄り、ホルスターからピストルを一丁取り出して風車を投げた女の米神に当てた。

「内藤ロンシャン、この前言わなかったっけ?あんまり下手なことすると、トマゾファミリーで遊んでしまいそうって。」

ニヤっと笑いながら銃口で頭をコンコン、と叩く。ロンシャンもそばにいた40過ぎのおっさんも顔を青ざめる。
特殊に加工されたあたしのピストルは、ほぼ無音で発砲できる。だから街中で発砲しても誰も気づかないだろう。

「だから、今日は自分の愚かさを悔やめばいいよ。」

こめかみから少し銃口を下げて引き金を引く。チュン、と小さく鳴ったと思えば女の右腕から血が吹き出た。
苦痛でゆがむ顔をみて快感を覚える。

「パンテーラ!」

「ま、殺しはしないよ。ただ、いいこと教えてあげる。」


指をパチンと鳴らし、金縛りをといてみる。トマゾの連中は一気に腰を抜かしたが、それでも彼女を心配してそばによろうとする。それさえも邪魔してあげたくて進行方向先の手元ギリギリに銃弾をお見舞いして動きを止めた。


「実はあたしもボンゴレなんだよね。」

そういうと、皆がいっせいにあたしをこっち見た。


「嘘をつきなさい!沢田綱吉とあんなに仲が悪いじゃないか!ロンシャン君!こんなでたらめ放っておきましょう!」

40過ぎのおっさんがそういった瞬間、彼の右足首から血が吹き出た。そこから生えてるのはナイフ。

「次鬱陶しいこといったら命とっちゃうよ。」

おっさんの足からナイフを抜き取り、血を奴の制服で拭う。そしてその痛そうな傷口をかかとで踏みつけてグリグリっと動かしてやる。ああ、あたしはやっぱり究極のドSだ。


「ボンゴレ10代目嫌いだもの。ボンゴレも人が多いしさ、意見一致するはず無いじゃない?それに知ってる?あいつらより強いボンゴレの組織の有名人を。・・・っていうね!」

そういうと彼らの目が開いた気がした。やっぱりその名を聞くのは衝撃的なんだろうか。ヴァリアーのはマフィア界最強最悪、とまで言われてるくらい。すこしだけ強めの殺気を放出すればそれに信じたんだろう、無言になった。

「あたしに目をつけられたら、死ぬってこと知ってる?」

そういうと、一気に彼らの表情は凍りついた。

関わって少しでも気に入らない人や、面白くない人はすぐに殺す、とかそんなうわさもあり、こいつらの恐怖一色の表情を見てると萎えた。


「ま、今は理由あって殺せないけど。あんたたち、弱いし面白くないくせに反撃するから気に入らないや。もっとマシなマフィアならもう少し良い反撃してきて殺し合い!って感じで超楽しめそうだったのに。弱すぎてどうしようもないね。」


ま、殺し解禁になったらストレス解消の一種として遊んであげるから。今のうちに人生楽しんでおきなよ。

あ、このこと他言したら罰として死んじゃうから気をつけてね−。


そういって屋上を出た。
この世で誰一人あたしを殺すことなんてできやしないのに、殺そうとするなんて愚かだ!



馬鹿ばかしい



(まあ身内には優しいけどね)(なんだかんだいって、ヴァリアーとブイヨは全員大切。)