今からする授業はHRらしい。HRってホームルームて言うんだって。、一体何をするんだろう?? 「よぉし!昨日の朝渡したプリントやってきたか〜?自分の生い立ちについて調べてくるって言ったよなぁー!」と先生が言い出すと、周りはなにやら何やら書くところが大量にありそうな紙を出し始めた。 そういえば昨日の朝にそんな紙が配られたっけ。カバンの中をごそごそとあさってみると出てきた。まっさらで周りと同じ紙が!項目を読んでみると「お母さんはこんな人、お父さんはこんな人、子供の頃の自分、名前の由来、小さいときにあった大きなこと。小さい頃の夢」などがあった。 Mi chiamo arma. かなり面倒くさいんだけど・・・。どうしてわざわざ昔のことを振り返らないといけないのか。 「では、転校生で皆もあまり知らないからな!からいってみようか!!」 ま、まじで?いっせいに視線がこっちに向いた気がした。しかも冷やかすような、そんな視線。真っ白のプリントを見つめた。あたしは普通の産まれ方をしていないのに。 「・・・パス」 あたしがそういうと先生は はぁ?という顔をした。「え?あぁ緊張しているんだね。落ち着いて、じゃあひとつずつやってみようか。お母さんについて言ってみなさい」と言われたがあたしの母は、どんなんだっけ? 「いや、だからパスってば、」 私の母に選ばれた人は、人間兵器、を作るためにエストラーネオで実験台にされ、ある程度の特殊能力を持った女、いやまだ女の子だった。当時12歳で初経が始まり妊娠ができるとなるとすぐに使われた。父親のほうは適当な研究員の精子を選ばれているのでまず不明。 まずは体外受精で受精に成功し、受精卵になったばかりからかなりの実験が始まり、ある程度の能力を備え付けること、遺伝子か何かを操作したのかいらない感情等を剥ぎ取られた。それが成功したあとに母体に戻すのだ。体内で成長中であろうと実験は毎日のように続き母体・胎児、両方に莫大な負担がかかり、母体はまだ耐えれても胎児のほうが負担に負けて、大体ほぼ1ヶ月未満で死んでしまった。ひどいときには1週間程度で死んでしまうのも、居た。 そんな中、すべての実験に奇跡的に耐え抜き、産まれてしまったのがこのあたしだった。産まれた直後から実験は再開され、毎日続いたおかげで何度も何度も何度も死にかけたらしい。あたしと他の皆では実験の趣旨が違う。他の子はただの遊びのような実用性の無い実験、あたしの場合は地球を滅ぼせるような人間兵器。負担だって、実験の数だって、全然違う。 ファミリーにつかまっていた小さい頃は自分を恐れた。 日を追うごとに自分に新しい能力がつき、ソレを知らないあたしは見知らぬうちに人を消してしまったり自分がものすごい速さで移動してたり自分が二人いて首をかしげたり,ジャンプしたら空中で着地していたり顔が変わっていたりボールを蹴ったら足から光のような鋭い形ものが出てそのまま建物にぶつかり壊れたり。 それをみて研究員は喜んだ。 「実験成功だ!」 自分がもう普通の人間じゃないって気づいたのはきっと3,4歳だったと思う。自分に怖くなって泣いたこともあったけど同じファミリーの子供達は内容は違うもののあたしと同じようにいろんな実験をされているのであたしだけが普通じゃないってことで励まされた。これがあたしの小さい頃。 4,5歳くらいのときだ。エストラーネオをつぶしたのは。それはエストラーネオ最大の実験失敗だ。想定外のミスだ。エストラーネオ期待の兵器のこのあたしが反乱を起こしたのだから。残念ながら彼らに忠誠に従う、という思いはこれっぽっちもなかったのだから。そういう感情を付けておかなかったのは彼らの失敗。だろう。 そしてエストラーネオを幼馴染3人と壊滅させた後に資料を探し知ったことがたくさんある。先ほど言った母のことも、兵器実験のことも書かれてあった。。そして、資料によると 残念ながらあたしの母はあたしを産んだ1時間後に新しい実験にかけられ失敗し、力尽きたらしい。顔の写真も、何も、残っていなかっ、た。父親に関してはもしかするとあたしが殺したかもしれないし、幼馴染3人--名前は確か骸に犬に千種、が殺したかもしれない。ファミリーに解放されたときに初めてこの能力が在ってよかったと思ったんだ。 大きな出来事--初めて父親や他の人を殺した。 名前の由来はどれをとればいいのかわからないけど arma.1は普通に兵器1号だし、は骸が。は9代目が。arma.1以外では由来はまったく謎だ。気分しだい?今度9代目に聞いてみようかなあ。骸にはきっともう会えないと思うから聞けないであろう。あああ、元気かなぁ?ていうか、1号ってことは2号も作るはずだったの? 小さい頃の夢は、人間になる。あたしはこんなんだから自分では人間であり人間じゃないと思っている。普通でありたい、と何度願っても頭の中に先のことが流れたりするのだ。結局あたしは普通の人間にはなれなかった。だからこそこうやって今ボンゴレで9代目に出会えて、あたしの存在が役に立っているんだと思うとあのときの苦しみは+−0になっているんだと思う。 うん、副作用がいまだに出てきて毎日薬を服用しないといけないのが難だけど、ソレを除けば、大丈夫。 「さん?」 結構な間沈黙してたらしく、クラス中があたしを注目していた。・・・しりませーん、とあたしはあくびをしながら答えた。 「だから、パスだってば。他の奴あてなよ。暇そうにしてんじゃん。」そう言ってあたしは座った。 大きくとまとめるとこうだ ・お母さんはこんな人--あたしの犠牲になった人。 ・お父さんはこんな人--自分の遺伝子を分け合った道具に殺されたかわいそうな馬鹿。 ・子供の頃の自分--死線の上に立っていた。 ・名前の由来--ただわかりやすく。 ・小さいときにあった大きなこと--人を殺した。父も何もかも。 ・小さい頃の夢--人間になる。 次の質問はあたしから沢田へ移った。もちろんあたしはそんなもの興味も何もなくって、昔を思い出したついでに幼馴染3人組を思い出し懐かしさに浸っていた。 「さんあんな質問も答えられないなんて〜」 「あ〜あ、あたしさんの子供時代気になったなァ〜!!」 「まさかイジメにあってて答えるの嫌だったとかあ〜?」 授業が終わり、きゃはは!!と笑いながら女子軍団があたしの机の周りを取り囲んだ。あぁうざい、クラス中があたしに注目して同じように笑っている。 「って小さい頃からあんなウザかったりしてな!」 「それもありえる〜」 今日は3時間目までがんばって授業でたじゃない。そろそろ帰ってもいい頃でしょう?色々あって疲れたの。本当は今すぐ太もものピストルでこいつ等の頭をぶち抜いてやりたいけど,こんな奴等に弾を使うのはもったいないわ。 「あら残念、君たちのような無価値の人生は送ってないわ」 そう言って席を立ちカバンを持って教室を出ようとしたら笑顔の沢田があたしの前に立ちふさがった。あれ?よく見れば沢田だけじゃなくってクラス中、が 「ちょっとさ、来て欲しいんだけど。」 笑顔は笑ってるようで笑ってなかった。いや、むしろ憎しみあふれる笑顔だ。こいつが、ボンゴレ10代、目・・・。いいや、どんな理由であろうともあたしは認めない。どうせならポンコツ10台目のほうがいい。後ろには山本と獄寺。さらにその後ろに立つのは全員ファミリー?いやそんなはずはない、普通の一般生徒。 あたしも笑顔で言ってやるのだ。 「いいよ」 もちろん、先に起こることは予想してある。やっと3人の戦闘パターンが把握できて、能力向上に導けるかも。 □□□ 拝啓 世界中で任務をがんばるブイヨの皆様。イタリアにいるヴァリアーの皆様。 ごきげんよう、いかがお過ごし?あたしは今激しく寿命に向かってます! 私は今、以前レヴィに借りた漫画の世界へ飛び立っている気分です。なぜなら、漫画で見たような、イジメにあっているからです。 あぁ!とてもとても愉しすぎて、殺してしまいそう。太もものピストルや両手がうずうずしてます。能力だってコントロールできるから腕を振り回しても変な能力は出てこないからある意味好き放題できるね! 「うぜぇんだよ!このカスが!」 そう言われ、髪を引っ張られて殴られる。こんな素人パンチなんて遅すぎてどうかわせば良いのかわかんない。猫パンチ並みの衝撃にリアクションにこまる。こんなんじゃああたしの鍛えられた体からは血が出ないから逆に怪しまれても困るし、わざと唇の端を噛み切って出す。 もっと怒らせてみようと思うから、あえて笑ってみる。 「なにそれ?猫パンチ?」 気温がグーンと下がったのが分かった。そうだよ、その調子!まだ出会った頃に比べても殺意上昇目標達成率も3人まとめて前回測定より山本45、獄寺45、沢田26だって。 どうすれば戦闘能力があがるんだろう??先が思いやられる。 次に山本があたしの腹めがけて思い切りバットを入れた。思ったよりも衝撃が来たけどこんなの、本当にかゆい。けれど一応顔をゆがめておく。 「へッ!こんなくそ女の親の顔、一度で良いから見てみたいぜ。」 「あたしだって、一度くらい親の顔見たかったよ。」 「え・・・?」 あたしの言葉に沢田が驚いた様子だ。こんなに殴られてるのにピンピンしてるあたしに対してか言葉に対してかは,わからない。 「・・・こっちもそろそろ反撃していい??」 ちょうど殴りかかってきた男子の拳をパシン、といとも簡単に払った。今まで殴られてたのが嘘みたいになんだか雰囲気からして強くなったように思える。 あたしがパチン、と指を鳴らすと、ボンゴレ3人以外の生徒はいきなり失神した。 「なっ!てめぇ何したんだ!!」といきなりボムを構え山本もバットを構えた。沢田は何かを探してるようだ。そうか、アルコバレーノか。死ぬ気になろうって言うのね。 「まぁまぁ落ち着きなよ。大丈夫だって、軽く寝てるだけだから。」 「まずは獄寺、そのダイナマイトだけじゃなくってさ、何か他に得ないといけないものがあるね。うん、ボム投げた後の一瞬の隙にやられちゃうよ。」 何わけのわかんねぇこと言ってんだよ!!と怒鳴るものの、この3人は今劣勢。次に山本かなァ。 「バットが剣に代わるんだって?野球だけじゃ無理だよねー。知り合いに天才剣士が居てさ、全然違うわやっぱ。剣道でもしたほうがいいんじゃない??軽い。」 山本は、図星なのかなんなのかぐっと引き下がった気もした。 そして 「あたしの後ろで鬼のようになってる沢田君」 くるっと振り向くとパンツ一丁になった沢田綱吉。その近くにはアルコバレーノ。どうやらあたしを敵とみなしたらしい。 「死ぬ気でを倒す!!」 「わかってないなぁ、周りが見えてないってかわいそう。」 アルコバレーノ、あたしのすごさわからないのかしら??まぁいっか。死ぬ気の沢田の戦闘能力は通常の+60だ。と言っても通常が0なのでただの60。 「沢田、あんたは死ぬ気になったら全力できすぎる。だから判断もままならない。先のことも考えようよ。」 あたしは手をかざして死ぬ気の炎を闇に消してみると、彼の頭がしゅううと鳴って正気に戻ったらしい。特殊弾、か。いい思いではないな。開発元はあたしの出身だった。憑依弾で誰かに憑依した事だって実はあるけどぶっちゃけそんなの使わなくたって人では遊べる。 「ま、せいぜい強くなって愉しませてね、他ので遊べないくらいに。」 固まってる3人の横を笑いながら通り過ぎあたしはもう帰る事にした。今日はなんだかいろんな奴に絡まれた日だったな。 ボンゴレ初戦 |