ひざ裏をぐっと持ち上げられ恋次はひざ裏に腕を通したままあたしの顔の横に手を付いた。
顔がとても近く鼻がくっつきそうだ。
動くたびにおなかの中が甘い感覚に襲われる。
小さなうめき声が、顔にかかる赤い髪が、うかぶ汗が、なにもかもとても愛しく思える時間だ。

、と耳元で聞こえる吐息交じりの声に返事するかのようにあたしも喘ぎ、名を呼ぶ。

明日から3日間現世の虚討伐だと言っていた。
いつもより心なしか激しく感じるのはきっとそのせいだ。


ひざ裏にかけていた腕をいったん引き、体も離れる。
急に消えたぬくもりにさみしさを覚えるが、腰をつかまれ動きが早まった結合部に熱さを感じた。

「れんじ、れんじ、」

手を伸ばすと手を握りそのまま背中に手を回してぎゅっとあたしを抱きしめキスをした。
夢中でお互いの舌を絡ませ、口のまわりがべちょべちょになる。
うっすら目を開けるととても切なそうで色っぽい恋次と目が合いそれだけで絶頂へと近づいていく。

口が離れ次第に腰の動きがもっと早まり、「うぁ、イクっ、」と小さく耳元で喘ぎ混じりの超甘い声で言うもんだからあたしもつられて一緒に・・・全身がジンジンとする快感に痺れた。

恋次の腰がブルっと震え、中に熱い液体の感触がした。
びくん、びくん、とそのまま痙攣を数回起こし、収まったと思えば自分のを引き抜いた。
そのまま横に倒れこみすかさずあたしをぎゅっと抱き寄せ口付けた。
最中のようなねっとりとしたものではなく、唇を合わせるだけのだ。

くちびるが離れてお互いの切れた息遣いが聞こえる。さりげなくしてくれる腕枕が気持良い。
息が落ち着いた頃に口を開く。

「恋次、」
「・・・んだよ。」
足を動かせばいつもよりヌメッとした感じがする。

「もしかして中に出した・・・?」
「へ?あぁ、まあ。」

悪びれる様子もなくそういうのでちょっとずっこけそうになった。
いつもなら出る寸前で抜いてお腹とかに出すくせに!

「なにしてんの!」
「いいじゃねえか別に。どうせ来月一緒になるんだしよ。」
「まあそうだけど・・・」
「だろ?お前とのガキ早くほしいんだよ。ぜってぇ可愛いぜ!3人でいろいろ出かけたり、出かけれなくても些細なことで良いんだ。ぜってぇ幸せ間違いなさそうだろ?大きくなったら真央霊術院いれて死神にさせるんだ!男なら勿論十一番隊。もし女だったら何番隊がいいだろうな〜!」

嬉しそうに将来のことを語りだす恋次に思わずフフッと笑みがこぼれた。
こうやって笑われたら許すしか無いじゃない。

その後仲良くシャワーを浴びなおしてまた布団にもぐりこんだわけなんだけど寝る気配は一向に感じられない。



「ねえ。」
「なんだよ。」

相変わらずぎゅっと抱きしめられているわけで、上を向くとかなり顔が近いが何十年も一緒にいるので今更顔を赤らめたりはしない。

「結婚式のさ、お父さん役誰にしてもらう?」
「あー・・・誰が良いだろ。」
「朽木隊長?」
「・・・なんか似合わなくね?」
「確かにお父さんって感じじゃないね。」

ちょっと想像したら笑えてきた。

「日番谷隊ちょ・・・は絶対ムリだね。」
「明らか弟にしか見えんだろな!」
二人して笑う。

「一角さんとかは?」
「・・・いいけど、恋次が十一番隊の頃に何度か話したことあるくらいだよ!弓親さんも勿論!」
「じゃあ更「却下!怖い!」

「やっぱりかよ。ま、京楽隊長とか無難なんじゃね?」

乱菊さんとの飲み会仲間つながりで京楽隊長には何かと可愛がってもらっていたっけ。
ソコ思い浮かばなかったな。
「そうだね!じゃあ今度頼みに行こうか!」
「あぁ、そうだな。」

「明日見送りいくから。3日間頑張ってきてね。」
「思う存分暴れてくるぜ。俺帰ってきたら皆に結婚報告しような。」
「皆驚いてくれるかな?」
「あぁ、ビックリするだろうな。」

皆の驚いた顔を想像するだけで楽しくなってくる。
じゃ、おやすみ。そういい軽く口付けをして眠りに付いた。


家はもう恋次の家に住んでいる。一週間ほど前から。
あたしの物もだいぶと増えて新婚気分で同棲生活を楽しんでいる。
眠りに付くまでの間、結婚式のことやこれからの未来を想像すると自然とにやけそうになるほど幸せがいっぱいで。

既に眠りについている恋次にぎゅっと抱きつきなおして目を閉じた。
とにかく一ヵ月後が楽しみで仕方がなかった。







「いってらっしゃい!」
「あぁ、行ってくるぜ。じゃ3日後。こっち帰ってきたら連絡いれるし美味ぇもん作って持っとけよ。」

次の日、3日間の現世任務へ行く恋次に会いに見送りに行き
穿界門でこんな会話をし、他の隊員はもう既に行ってしまったのでソコにはあたし達二人だけ。
軽く口付けを交わして彼は門の向こうへと消えていった。


恋次が現世に行っている間、あたしもしっかり頑張らなくちゃ。



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