私が冥界道に来て40年。言い方をかえれば死んで40年だ。
しんで20年後、死神というものになり十一番隊に入隊したのだ。
見た目は死んだときより変わっていない程度に大人びている。
冥界道に生まれ、落ち着いた1日後くらいにクロームと精神世界であったのだけれど、全然時間の進み具合が違うみたいだ。
なんとまだ死んで1時間もたって無かったらしい。
クハハ!その計算だと10年で1年の進み具合だ。先が思いやられる。



私は、何歳まで骸を待っておかないといけないんだろう?


「ー!何してんだよ!飯いくぞ飯!」
「はいはーい!」

私を呼ぶ一角のところへ走った。


なんだか十一番隊や最近六番隊に移動した恋次達を見ていると十一番隊入隊当時に戻ったようですね。



死神輪廻




「今日から11番隊配属になった六道です。よろしくおねがいします。」
頭を下げた。

誰かに頭を下げるなんて行為、どれ位して無いのでしょう。むしろ生まれて1度もして無いかも。
でも、この隊長があまりにも怖い顔をしているので自然とそうなった。

本当怖い。ヴァリアーのレヴィとザンザスを足してさらに5をかけたくらい。
なんてこった、霊圧垂れ流しだ。



十一番隊に入隊した20年ほど前、私は初めて冥界道にやってきた。

冥界道というか・・・ここは尸魂界というとこらしく、そこで新しく生まれた。
まあ・・・幻覚も使ったし人も殺しました。


一般人と戯れるのにはこのオッドアイは不気味がられる。
なので目を隠すために眼帯をつけている。しかも黄色くて、目を当てる部分にスマイリーが書いてあるという。
一種のキャラ作りだ。


ちょうどいいことに、私には霊力というものを兼ね備えていたし、死神とやらになった。
目的はほかにある。
ここ、冥界道は尸魂界と呼ばれ、人間が抱く冥界のイメージにぴったりな場所だ。
人間道・・・骸たちが生きている現世と呼ばれる。
そことここは密接な関係にあるために、運がよければ犬や千種、クロームに会えるかもしれないのです。

そして、冥界道のスキルを得るには死神になることだと直感で感じ、 真央霊術院に入り飛び級、さらに首席で卒業した。
六道輪廻に身につけたスキル、マフィアという裏世界ですごしていたため戦闘に関しては完璧。

ただ、六道輪廻のスキルは何もして無いのに発動させたら怪しいので斬魄刀の技として使うことにした。
そういえば斬魄刀の名前、冥界神だって。そのままですね。

ちなみに既に卍解まで取得してある。
私の卍解は六道輪廻スキル・第五の道の人間道と酷似していて何事かと思えば、斬魄刀を持って人間道を発動させれば勝手に力がかけあわさるということらしく、それでOKというなんとも簡単な卍解だ。

人間道は出来るだけ発動させたくない。目の中に指突っ込むのが嫌だ。痛くは無いけど。
卍解は本当にやばいときにだけ使おう。

それでも強くなり足りないのか冥界神と対話しつつ、つい意気投合し冥解という訳のわからない技まで作ってしまった。
これはなんというか、六道輪廻?七の道・冥界道の発動を意味するものらしい。
・・・もはや六道輪廻じゃありませんね、七道輪廻とでも呼びましょうか。

両方あんまり使わないだろうな。
地獄道と修羅道さえあれば良いでしょう。


そして卒業前に十一番隊入隊が決まり、卒業し、まあ普通に事は進んで行ったのだ。




そして、先ほどの入隊挨拶に戻るわけですが、ちなみに私が入隊することになった十一番隊はむさい男だらけ。
ボンゴレのようにイケメン、というものが一人も居なかった。
でも聞くところによると、この十一番隊というのは護廷十三隊で1番の戦闘部隊らしく楽しめそうだ、とつくづく思った。


ここでも私の「飛び級のすごい奴」的噂は流れているらしく、あいつが!?的な顔と、十一番隊に女が?!という顔でこっちを見る。


そして、目の前に居る鈴をつけたトゲトゲの髪の男が更木隊長らしい。そしてその肩に乗っているかわいらしい女の子が草鹿副隊長。

更木隊長は私を睨むように見下ろしていて、何かを言おうと口を開いた。
そんなときだ。隊舎の扉が開いたのは。

そこからは、スキンヘッドの男と、おかっぱの男、2人が入ってきた。

「おい、遅ぇぞお前ら。」
「へ?出勤時間まだじゃないっすか。」
「つるりん、剣ちゃん昨日今日から新入隊員はいるからいつもより15分早く来るようにって言ってたよ〜!」
「その呼び方やめろドチビ」
草鹿副隊長がぷくっと頬を膨らまして怒ると、つるりんと呼ばれたスキンヘッドの男が怒った。
つるりん・・・あだ名?

彼はすぐに私を見つけて、誰だ、この女。と言いながら近寄ってきた。
後ろに居たおかっぱの人は結構きれいな顔立ちをしている。

「この子は今日から入るちゃんだよ!」
草鹿副隊長は私の背中に飛び乗ってニコニコしながら彼にそういう。

「六道です、お願いします。」
そういうとつるりんさんは顔をしかめた。

「こいつがあの噂の?もっとゴリラ女かと思ったぜ。ってか本当に強いんだろなあ?そんなひょろっこい体でよぉ。」

・・・人が黙っていれば言いたい放題言いますね、このつるっぱげ。
自己紹介くらい出来ないのかしら。

「よおし、勝負だ!おい!誰か浅打ちもってこい!」
勝手に話を進めており、なぜか勝負をすることになった。


ぽい、と投げられた浅打ちを握り仕方なく構える。

「いっくぜ!」
そういい、つるりんさんがすごい勢いで浅打ちを振り回してきた。
一撃一撃がなかなか重たい。さすがそれを仕事としているだけあるなあ。
この人がマフィアになったら間違いなくヴァリアーかな。
いやでも無理だろう。性格的に笹川兄系だし・・・。

「おらおらおらあ!」
飛ばしてきている。持っているのが浅打ちじゃあスキルも使えない。
しょうがない、普通にやるしかないようですか。

ため息を小さく吐いて、攻めへと転じた。
私の一撃の重さもなめてもらっちゃあ困る。
死線の数は私のほうが上だ。

少し力を込めて彼の隙を探しソコをつこうとしたらギリギリとめられた。
手ごたえは良いので、相手の手は痺れただろう。顔をしかめている。

私はすばやく一撃が重たいので、なかなかの実力者だと自分で思っている。

しばらく互角に戦っていると、隊長が「やめろ」と言ったので手を止めた。

「、て言ったな。お前は今日から四席だ。一角、弓親、文句ねぇな。」
「あぁ、文句ねぇ。」
「僕もだよ。」
隊長がそういうと目の前のつるりんさんと、つるりんと一緒に入ってきたおかっぱの人が返事した。

「・・・お前、すげぇなあ。名前は?」
「六道。」

さっき名乗ったのに、と思いイラっとしてるとソレが伝わったかのように横に居たおかっぱの人が
「さっき彼女自己紹介してたよ。」と言ってくれた。

「そうだったか?ああちゃんって言ったな、おれは斑目一角だ。ここの三席。」
「僕は綾瀬川弓親。5席だよ。」

つまり、私はこの二人の間に入るって事か。

「っにしても変わった髪の分け目だなあ。眼帯まで変わってやがる。」
骸とおそろいのギザギザの分け目、そしてスマイリーの眼帯のことを指してるのだ。

「まあそれはいいじゃないですか、私右目失明してるってことにしておいて。・・・それより、どうして綾瀬川五席は五席なわけ?」

私の発言に二人は少し驚いた。
「なにがだい?」
「だって、2人ともだいたい同じでしょ?強さ。じゃあ普通どっちかが四席じゃないの?」

「そうだね、でも僕は四という字が美しくないと思うからね。三が一番美しいと思うんだけどソレは一角のものだから。だから三とにてる五の位置に居るんだよ。」
どうだい、美しく無いかい?と満足げに語る綾瀬川五席。
変なところにこだわるなあ。ていうかその美しく無い四席に私が居るんだけど。

「でも、私は五が一番嫌い。」
「どういう根拠だ、どういう。」
「クハッ!その理由を言ってしまったらおもしろくないでしょ!」
にっこりと微笑んでが流すことにした。

「ま、これから頼むよ、一角、綾瀬川五席!」
「よ、よびすて・・・」

そうだ呼び捨てだ。初対面でゴリラ女呼ばわり、名前を忘れる、という侮辱にあったためこいつは呼び捨てにします。

「気にしないの一角!斑目三席ってキャラじゃ無いじゃん!」
「こんのガキ・・・!」
「見た目的には一緒ぐらいじゃない?」
「俺の方が明らか年上だろうが!」
「いいじゃん!私生きてたときなんて誰にも敬語使ったことなかったよ!マジで!」

「まあまあ2人とも、じゃあ僕も弓親で良いよ、。」
「了解〜!さすが弓親!美しいね!」
一角と全然違う。大人の男は良いね!というと一角の米神がまたピクリと動いた。

「一角さん相手に良くやるよなあー!すげえな、お前。」
一角が私に何かを言おうと思ったときにまた一人登場だ。
赤い髪の毛と変な刺青が特徴の男。名前も知らないので誰?といわんばかりに首をかしげた。

「すまねぇ、俺は阿散井恋次。六席だ。」
「恋次ね、了解!」

霊圧からしてたぶん恋次のほうが倍くらい年上の気がするけどまあいいでしょう。
「ま、皆仲良くしてやってね。」と笑うと皆も笑ったので、まあひと安心だろう。






□□□




と、まあ入隊時のことを回想してみたのだけれど、アレから20年経った今でも卍解のことは隠している。
実は六道輪廻のスキルも皆には見せたことが無い。霊圧も4席相応に抑えているため気づかれることは無い。


今ではすっかりここに馴染んでいる。
やちるの姉的存在みたいなものだし(多分私のほうが年下)
乱菊さんは私の姉さんみたいだし、恋次はたいやき仲間、一角も修兵も弓親もいい友達だ。

他にもいろいろと友達も多く信頼度も抜群だ。そのほうが居やすいでしょう。尸魂界に。
まあ冗談抜きで本当ここの居心地は、とても良い。明るい女、まあいえば三浦ハルを少し落ち着かせたような感じ・・・というキャラ作りをしていてよかったと思いますね。


でも、六道輪廻のスキルやせっかく得た七道のスキルを発動させる機会が無いのが寂しいかな?
始解するとその霊圧で虚を昇華させてしまう。

骸が昔日辻君で遊んだように私も誰かで遊んだりしてみたい。

やっぱ私は私のままで、こんなに黒い感情があるなんて誰も思わないだろうね。
元はといえば私にとって人間はおもちゃ、ですからね。


でも不思議と今の段階では尸魂界の関わっているに死神に対しては、憑依してやろうだなんて感情も生まれない。
どちらかといえばボンゴレに対する意識に近いものがある。

・・・手合わせで斬魄刀を使うとき、相手に傷を負わせたら不可抗力で契約してしまうのは許してもらいたいですけど。十二番隊以外の隊長副隊長とは契約済みです。
憑依もしないんで、大目に見てやってくださいね。


なーんて、それもTPOですけれどね!クフフ!
もし敵とみなすようなことがあれば、コロっと変わるものですよ、私を含め、生き物なんて、ね。
敵にでもなれば、その体少し拝借させてもらうつもりです。今はその気が無いだけで。保険、とでもいっておきましょうか。


・・・別に天界道のスキルがあるから私がわざわざ憑依するまでも無いですけどね。



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