教室に入った瞬間、伸太郎もソンも。あの優しい崇史や舞子だって!!
なんでかしらないけど、体格や服装は皆なのに、顔だけ・・・!金八になってる!!!
呆然と突っ立ってるあたしをみて、皆は声を合わせていうのだ。
「「「また遅刻かぁぁぁああっっっ!!!」」」」」
「またやったかあああ!!!??」
自分の叫び声で目が覚めた。
ベッドの上で呆然とする。遅刻する夢を見て、飛び起きた。
「なんだ、大丈夫じゃん。ちっ、損した。」
ケータイを見るといつも起こされる5分前。
あたしにとっては、その5分さえ貴重な睡眠時間なのだ。
起きてしまったものは仕方が無い。さっさと用意することにした。
とりあえず、鏡の前に座り、いつもの用に髪にアイロンを当てる。
ほんとうはストレートよりも盛りたい派なんだけど
髪質上、巻く事ができないのだ!
あくびをした顔が鏡に映って、ぶっさいくー!と自分で引いた。
そろそろエクステもとろっかなー。
この射ろ飽きたし髪の毛違う色染めよっかなー。
何色似合うかなー、と考えてたとき。
「ーーー!起きろーー!」
兄貴のうるさい声が響いた。
今日は、喧嘩も無く家を出た。
昨日のことが心配で心配で仕方が無いけど。
結局、文化祭ってどうなるんだろう?
携帯をいじりながら、河原を一人で歩いてると前に3Bの集団が歩いてた。
伸太郎を中心に朝からお疲れモードのようだ。
入っていこうと思ったけど、話の内容は金八先生の話題についてだ!
昨日、ほとんどあたしは居なかったので、入っていったところでわからない。
先生は今日こないだろうとか何ちゃら言ってる、が!!!
あたしは知ってる。というか、見たのださっき!
土手を、金八先生が歩いていたのを!
先生をチラッとみると、あたしが居る位置よりも少し前。
そして、立ち止まって伸太郎たちのほうを見下ろしていった。
「おはよう!!」
伸太郎たちは驚いて無言だったけど
何か吹っ切れた笑顔でもう一度挨拶をする金八先生に負けたようで
おはようございます・・・と言っていた。
金八先生が、笑いながら先に行ってしまった。
なんだか良くわからないけど金八先生が元気になってて良かった。
先生は先生なりに考えたんだろう。
何とか大丈夫そう。
呆然としてる伸太郎たちの輪に突っ込んでいこうと一歩踏み込んだら
肩をつかまれた。
後ろを振り向くと大っ嫌いな顔が3つ並んでた。
C組みの女子3人。
前より少し化粧が濃くってあたしを怖気づかそうとでもしてるのかしら。
朝からうぜぇ!
ほのぼのとしたのを見た後にこいつらはきついわ!
「・・・何?」
あたしが寝起きで不機嫌さ丸出しのような声で聞く。
すると、C組の女3人組はあたしとは逆で笑っていた。
勝ち誇った顔をいきなりされてもまったく意味がわからない。
「今日、昼休み。屋上に来なさいよね。」
と、わけがわからないことを言われる。
きっと、3人であたしをやっつける気か!
「はぁ?」
こいつらには、高校生の彼氏が居る。
でも、黒銀でも荒高でもないとおもうし。
第一、こんなやつらを相手にしないってか。
「逃げたら承知しないわよ!」
「ちゃんと来なさいよ!」
自分が相当不良だと思ってるのか、怖い印象を与えたいのか
メンチきってあたしにそういってくる3人組。
あたしの中では、こいつらの印象は、まるで「ずっこけ三人組」
「へいへいわかったわよ、給食食べたらでいい?あー、面倒くさい!
じゃあ1時に屋上集合ね!」
面倒くさくなって、脅されてるのは一応こっちなのに、動揺ひとつもせずにそういった。
「生意気にでいられるのも、今のうちなんだから」
クスっと嫌味たっぷりに笑って去っていったずっこけ三人組。
「中学生は・・・しかも女は相手にしたくないんだけどなー」
よわっちいから、と、頭の中で続けた。
あたしの相手は、高校生男子がちょうどいい。
隼人たちと一緒に荒高の相手しているときが一番喧嘩してて気持ちがいい。
勝手来たら勝ったで兄貴も喜ぶんだけど
ただ、やりすぎた後のデメリットは兄貴の説教だ。
喧嘩好きになった原因は、紛れもなく兄貴・・・お前のせいだ!!
深く考えないで (さぁ!登校登校!)
「、」
前進しようとしたら、またもや誰かに止められた。
誰というか、この声はあたしも知ってるけど。
「おはよ、玲子に淳に崇史。」
登校時、遭遇率No,1の三人組。
「今、C組の女子に・・・絡まれてたけど大丈夫か?」
崇史がそう聞いてくるが、後々大丈夫?と聞いてあげないといけないのはあのずっこけ。
「うん。なんか、面白いことなりそうでさ!」
前を歩くずっこけ三人組の背中を見据えて言う。
玲子たちはあたしのほうを心配そうに見てるが、気にしない。
「そろそろ行かないと遅刻するわね」
玲子がそう言い出して、早足で学校に向かった。
また遅刻したら、5分速く起きた意味が無くなる。
□□□
学校に着くと、いつも通り先生が入ってきて
いつも通り・・じゃなくてなにやら昨日の続きのようだ。
あーあ、こんなことなら昨日朝早く起きて登校しとけばよかった!!
直明が、「皆で謝ろう!」と、言ったが、伸太郎は頑固で、「あいつにバカにされたんだ。なんで謝らなきゃならねぇんだ」と言う。
こういうときの伸太郎は、結構怖い!!
金八先生は、なんだか余裕の笑みを見せ、言葉を放ったそのときだった!!!
変な人3人組が入ってきたのだ。
どうやら、3BのOBらしい・・・ややこしいな。
先生に「ヒノケイ」と呼ばれた男の人は、今の3Bがソーラン節を踊れないっていうから、手伝いに来たという。
教団にたった「ヒノケイ」は自分たちの3B時代を語りだす。
きっと真剣に耳に入れてないのは・・・あたしだけかも。
(過去と今では時代が違う、ってね)
ぶっちゃけ、やろうがやらまいが、あたしはどっちでもいいと思った。
やるなら、ちゃんと気合入れてやるし、やらないならやらないし。
そんなとき、真佐人「ならやってやる!」といきなり起立した!
正直、いきなり音がしたのでちょっとビクッとなった。
「じゃあ俺も!」
「あたしも!」
と、次々とやる気を出して起立していった。
「ほら、も。」
一気に皆が立ち始めたのであたしは出遅れてしまった。
後ろから直明が腕を引っ張ってあたしを立たせた。
伸太郎は一人だけいまだにたたず!
椅子にふんぞり返りものすごくえらそうな口調で言う。
「オイ、担任。オレ達が一位取ったらどうするんだよ」
「無理ですよ」
と、先生は笑い、伸太郎が切れかける。
「どうするっつってんだよ!」
伸太郎は、やっぱり怖い!
「無理ですよ。みんなが揃わなければならないのに、もう1人、外れている人がいる。
でも、みんなが一位取ったら、わたし、みんなに頭下げますよ。一位取ったらみなさんのおかげ。とれなかったら、金八の身から出たさび!!」
と先生が言った。すると、伸太郎は
「ああ・・・さびだらけにしてやるよ。オイ、真佐人、半纏取ってこい!」
そう真佐人に言い、真佐人は、金八の前に両手を差し出すと、謝り、半纏を受け取った。
「さっすが伸太郎!」
軽く後ろからひじでつついてやると、照れ隠しで「うっせぇ!」と小さく返ってきた。
□□□
ついに来てしまった昼休み。
さっさと給食を食べ終わり、時計を見ると12時50分。
そろそろ教室を出ようとした。
「あれ?。どこいくんだよ。」
でっかい声で(高木)隼人に言われ、うるさかった3Bの教室がなぜか一瞬シーンとなり注目を浴びた。
「あ、本当だ!どこいくのー??」
真佐人が机から身を乗り出している。
遊ぶなら俺も行くー
って言ってる真佐人は可愛い!
あたしは、基本的に休み時間とかは
前後左右斜めと話すことが多いから休み時間中立ち歩くことはあまり無い。
だから隣の席の玲子と仲良くなったんだと思う。
席の関係で仲良いのは男ばっかだけど、それはそれで楽しい。
席の離れたヒロ達とも話すけど、あたしからは行かずあたしのところに集まってくるシステムだ。
自分から誰かの席に行くとか、用事があるときしか行かないのだ。
だからか、やよのグループとかはあまり話したことが無いのかも。
同じ3Bだから大事な仲間だけど、話が・・・あいそうに無い。
隼人の問いかけに少し間をおいて、不敵な笑みを浮かべてこう言う。
「・・・ストレス解消」
そう言って、教室を出た。
・・・、解消といった瞬間、笑顔だった真佐人の顔がゆがみ
教室中が凍りついた気がした。
あたしは3B公認の暴れん坊なのだ!
・・・兄貴が有名で、それにあこがれて実は2Bに居た頃
しょっちゅう孝太郎にシンナーを売ってたような、ださい不良と喧嘩してた。
最初の頃はそりゃあ、あたしも負けたことだってあるし、ボッコボコにされた。
何とか相手に勝つようになってから、余裕が出て
回数を重ね、今まで惨敗してた相手だって無傷でやっつけれるようになったのが2Bの冬。
3Bに上がってから隼人たちに出会った。
隼人たちとプライベートで行動するようになって喧嘩する相手の格も上がり・・・主に荒高の奴。
最初はあたしだっててこずったけど、兄貴や慎ちゃんからこつを教えてもらったり。
コツを完璧につかみ回数を重ね、荒高の奴らでも平気で一人で叩き潰せるようになった。
だからか、兄貴の妹って言うだけでも有名だったらしいのに
それから余計に高校生の間でもあたしは結構有名になってしまった。
−−というのは、誰にも言ってないけど、とりあえず
口調がものすごい悪く、さらに怪我して登校する機会が多いということで3B公認、ということだ。
あーあ!今日の給食あたしの好きなメニューなのに!
ゆっくり味わいたかったのにあんな3人のためにはや食いする羽目になるなんて!!
どうせ、あの3人だけなら5分で終わらせれるよね。
さすがに中学生、しかも女子に本気出したら4分で救急車必要なるし。
兄貴に説教食らうのも面倒だし、脅すくらいで良いか、と考えてる。
屋上について、扉を開けた瞬間。
「ありえねー!!!!!!」
少しめまいを起こしかけたのは
ずっこけ三人組・・・・・と
その仲間たち。というか、3C女子だった。
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