携帯のアラームがなり重いまぶたを開ける。
起きた瞬間に思うのはいつもと同じこと。
(・・また朝か・・。)
そうおもいながら携帯を止めた。
いつも通り朝が来て。学校へ行く。
そんな毎日に飽きていて、酷くつまらなかった。
そんなあたしの名前は、熊井。桜中学3年B組だ。
そして兄が一人、妹が一人の3人兄弟。そして家がラーメン屋。
親父は昔に逝って兄貴が高校卒業後、ラーメン屋を継いだ。
兄貴は一昨年、不良でかなり有名な、白金学院の「伝説の3D」を卒業した。
その白金の友達にも何度もあったことがあり、あたしは結構仲が良かったのだ。
そのときの兄貴の担任だったヤンクミとも仲良いのだ。
そのせいか、ヤンクミの今の教え子たちとも仲良い、のだ。
「―――!!そろそろ起きろ!!」
下から兄貴の呼ぶ声が聞こえてひとつあくびをして・・・。
もう起きてるのに、と思いながらも「はーい!」と返事して制服に着替え
髪の毛をセットしてかばんを持ち下に下りた。
下に行くと、目玉焼きと味噌汁とご飯が用意されてて
いつも通り自分お席に座り食べ始めた。
兄貴は少し忙しそうで、妹は妹でのんびりと朝食を取っていた。
母親もまた忙しそうで。
「、今日は燃えるごみの日だから、よろしくな!」
「はぁ?なんであたしが!兄貴がやったら良いじゃん!」
「あぁ?それくらい役に立て!」
「うっせーよ!」
この通り、小さな事で兄弟喧嘩になる。
兄貴の友達がとまりに来てたときとかは笑いながらこの様子見てたっけ?
あたし達の喧嘩は本当に日課になっている。
兄貴はラーメン屋をついで。母親は立派な母親だ。
妹も将来の夢も決めてあるらしい(まだ小学生だけど)
そんな中あたしは出来損ないだ。家では反抗ばかりで・・。やりたいことも見つからない。
兄貴みたいに、良心もあまり無いし・・。
勉強もできないしクラスのギャルみたいにはしゃいだりもしない。
ただ単に生きてるだけ。
「わかったよ、ゴミ出せばいいんでしょ!行って来る!」
鬱陶しくなったのでそのままゴミ袋とカバンを持って家を出ようとした。
少し時間は早いけど、何とかなると思う。
「ちょ、朝飯は!!」
兄貴に呼ばれたけど、ごちそうさま!と返事して家を出た。
中学3年の9月・・。
そろそろ進路も決めないといけないのに・・どうしようか、ぜんぜん決まらない。
2年の最後からだっけ?覚えてないけど担任になった金八先生にも結構心配かけてる。
坂本金八・・彼は結構良い先生だ。ヤンクミとはまた種類が違うけど・・。
(あー、暇だ!暇過ぎる!)
なんたって朝の7時半。こんな時間に誰が居るんだ!!
いつもの通学路だって人っ子一人・・ってマラソンしてるじいさんが居るくらいで。
3Bの知り合いも居なければ、当たり前にほかに知り合いも居ない。
ふと、黒銀の3Dのみんなの顔が思い浮かんだ。
(竜以外みんな寝てるんだろうな―・・。)
そういえば、あまり関わらなかったけど、最近まで竜と隼人が喧嘩してたらしい。
それもヤンクミが解決したそうだけども。
あの二人の分裂はあまり見たくないもんね。今風の言葉で言うなら5コ1。
ま、とりあえずコンビにも近くにないし。河原に座って暇つぶしをすることにした。
荒川は、見てると落ち着く。
少しあくびをしながら、胡座かいてる自分って本当に女らしくないと改めて思った。
(あー、おなかすいた)
今更だけど、朝食を全部食べてくれば良かったな、と思った。
ため息ついてうつむいたら、誰かの影に太陽がさえぎられた。
何かと思って振り向くと・・。
「・・あぁ、崇史。おはよう。」
あたしの後ろに立ってたのは、小塚崇史。
おんなじ3Bクラスメート。
「何してんだよ、早く学校行くぞ」
「え、そんな時間?」
「・・八時前。」
言われて慌てて立ちあがった。
気がつかなかったが、土手には結構人が居て、結構な時間座ってたんだと思う。
踊る3B'S、元気な伸太郎たち。で、比呂達のギャル集団におとなしめの舞子たち・・。
先日転校してきたばかりのヤヨ達やデカアス達。
で、崇史を発見してこっちに向かってくる玲子、と淳。
「おはよう玲子」
あたしは、玲子と目を合わせて挨拶した。
玲子も、あたしと崇史を見て
「おはよう、崇史、」
といった。その後で、玲子の後ろに居た淳も、おはようございます、さん、と言ってきたので、返す。
結構ズバズバと言う玲子の性格は、結構好きで。
仲が良い、とも言うのか、結構一緒に居たりする。
だからか、いつのまにか玲子と居るうちに崇史と淳とも仲良く(?)なってた。
・・というよりも、基本3Bは仲良いんだけど・・。
「先行っといて...・・。あたしゆっくり行くから。」
そう三人に言うと「どうして?」と聞かれたが
気分で気に一人が良かったので一人で行かせてもらうことにした。
朝から兄貴と喧嘩して気分が悪い。
八つ当たりしてしまいそうだったのであたしは一人になった。
ゆっくり歩いてるとメール着た。
(・・・あ。)
それは、黒銀学園3Dの一員・・矢吹さん家の隼人君で。
『おはよう!今日も元気でいっちゃってくだパイ☆』
って・・。
毎日こうやってメールくるから、こうやって来て返事を打つのも日課になってる。
『隼人も問題起こさないように!』
と返事を打って携帯をしまった。
一つあくびをすると、後をがすげぇにぎやかになってきて
さらにあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
「――――!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながらこっちにやってくるのは、3B'sで。
みんな、そこらのダンスアイドルよりもうまいかもしれない。
「あ、チビちゃんおはよ。」
真っ先にやってきた真佐人のちょんまげを軽く引っ張りながら言うと
真佐人は チビって言うな!と可愛く怒った。
それをみてすぐに追いついてきた後のみんなが笑った。
「!おはよー!」
仲良しの浩美がそう言ってきておはよう、と返して。
「あー、みんなおはよう―。朝から元気良いねぇ!」
後ろに居た残りのメンバーにもおはよう、と言った。
少し感心すると黄色い服のあたしより少し背の高い彼にデコを押されて。
「なに年よりくさい事言ってんだよ!そんなんだからババアになんだって!」
と笑われた。黄色い服というのは、あたしの後ろの席の倉田直明。
「なによ直明!あたしがババァだったら、直明はジジィじゃん!ばっかだねぇ!」
とデコをつんと押し返す。次に直明はむすっとした顔をした。
「まぁまぁお二人さン!朝から喧嘩しねぇの!」
横から入ってきた赤い彼はあたしと直明の間に入ってきて小さな言い合いを止めた。
直明はまだ何か言いたそうな顔をしてたが
あたしは勝利の笑みを浮かべて、赤い彼――園上征幸こと、ソンのうでにしがみついた。
あたしは、直明と仲が悪いわけではない。
喧嘩するほど仲が良いっていうやつで。
いつもあたし達の言い合いを止めてくれるソンもあたしの大事な仲の良い友達の一人。
あ、もちろんチビ助こと、中村真佐人も大事な友達。
さっきの
まぁ、3Bのクラスメイトは全員大事だけど、その中でも特別に仲良いのだ。
ほかにも仲良いやつは結構居て。
女はさっき居た玲子も。浩美。あたしはギャルじゃないけど、比呂達とも仲が良かった。
男は、崇史に真佐人に直明、ソン。で、あのうるさい・・・。
「――――――!!!!」
「―――――――!!!」
あ、頭の中で考えてたら奴らがやってきた。
伸太郎と車掌。
今日もか、と思い振り向くと、紙袋を抱えた伸太郎が坂を降りてきてこけていた。
(阿呆だ。)
「伸太郎ださいーー!!」
と浩美が言ってて、あたしも笑った。
伸太郎が起きあがる間に車掌はこっちに走ってきてて伸太郎は遅れてこっちにやってきた。
さっき言いかけたけど、伸太郎と車掌もあたしの仲良い大事な友達だ。
「伸太郎、車掌もおはよう―!って・・。そこまで走ってこなくても良いのに。」
横にいた真佐人に ね?と同意を求めると、真佐人も頷いた。
「いやぁ、朝からをみると、な!」
伸太郎は車掌に意味不明なことを言うと、車掌は無言で何度も頷いた。
「わっけわかんない」
少し笑顔でそう言って3B’sや伸太郎達が居る輪から抜けて一人出歩き始めた。
黒銀や白金のみんなと精神年齢はちょっと(?)低いけど
これはこれで楽しい。
多分、今日は一人で行きたい気分だから一人にしてくれ、なんて思っても。
崇史や玲子みたいに素直にわかった、といってくれないんだろうな。
後ろを振り返って
「ほら、早く行かないと遅刻するよー。」
と、のんびりしてる3B'sと伸太郎達にそう言うと、元気な返事が返ってきてあっという間に取り囲まれた。
なぜか直明に頭を一発叩かれて。
軽くにらんでおいた。
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