「、あいしちょる。」 彼氏である仁王雅治の欲はあたしの中で出された。 立海大学1年であるあたしと雅治は、大学の仲間内では公認の恋人同士である。 半同棲中なので同じ布団で寝てそのまま朝を迎えた。 「雅治早く行こーよ、授業遅れたら幸村君に怒られちゃう。」 「わかっちょる。」 最近どうも雅治が冷たい気がする。 返事もそっけないし態度もあからさまに違う。 前までは「、チューは?」とか言って甘えてきたのに。 最悪なことに雅治は昔から女遊びが激しい。 付き合ったのは高校の3年からだけど中学からの付き合いがある。 中学から今までで泣かせた女は数え切れない。 美人なあの子からかわいらしいあの子まで、見るたびに関係ないのに胸が痛んだ。 そこまで酷かったのにあたしと付き合ったくらいでまともになる男じゃ無いってわかってるというか、いまさらあたしは何故雅治と付き合ってるかも不思議なくらい。 美人とか可愛いとかそんなプラス要素は一つももってないようなこんなあたし。 少々不安になるのはいつものことだけど、いつも愛してるってしっかりと言ってくれてるからあたしは大丈夫。 うわべだけじゃないって、信じたい。 授業は本当につまらない。隣に座る雅治なんかはもう携帯をいじり始めた。 あたしは暇で寝そう。内容なんて全部右から左に流れてる。 (はあ、) まだ朝だって言うのに体はだるいし眠たい。 ペン回しも飽きたしため息もできればつきたくないなあ。 「?」 ふと我に返れば、横に座っていたブン太があたしの顔をのぞいた。 雅治と仲が良いことから、中高のテニス部の人は何かとあたしのことも気にかけてくれて仲よくなり、今こうして一緒に授業を受けている。 今ではもう気も遣わなくなった、ちょっと遅めに加入した仲間だと言える。 その中でも一番仲が良いといえばブン太だと即答できる。 理由は簡単で、幼馴染であり彼の彼女は昔からの親友だからである。 もちろん皆はテニスサークルにはいっていて、親友とあたしはマネージャー的位置にいる。 「え、何?」 「いや、ボーっとしてただろぃ?」 ブン太はこうやってあたしの変化に気づいてくれるのに、雅治はあたしの変化になんて全く気づいてくれない。 いや、気づいてるのかどうかはしらないけど全くと言っていいほど無視だ。 現にこの会話だって、無視で携帯ばかりを眺めている。 |