「やややってしまった!」

携帯を見れば充電が切れてる、オーマイガッ!
慌てて枕もとの時計見た。

「はっちじはーん!」

いや、まてよ?でもこの時間なら何とか、何とかなるかもしれない。
もう一度みるとやっぱり8時半(あ、31分になった!)HR始まるのって45分やんな?
急いで用意すれば8時45分に間に合うぞ!

くっそー、でも無理やろな、寝癖ボッサボサでどすっぴんやねんもん。こんなんで行ったら終わりや。
あたしだって、あたしだって…!一応は乙女なんだもん…あたしうざっ!

ちなみに彼氏居ない歴半年以上が過ぎようとしていまーす。
誰か、誰かもらってやってはくれないかい?ひひっ!
でも大丈夫!兄貴やてあんな熊みたいなごっついけど結婚して(しかも初恋の相手やって!)相手超美人やしさらにもうすぐ子供も生まれそうやし。
あの兄貴が美人と結婚って…何目指してんのまじで。


「オーマイガット、トゥギャザー!」
色々考えてるうちに8時42分。これは瞬間移動でもせえな遅刻するわ。いや、しても無理か。

髪型とか整えて化粧していつもどおりちょんまげ作って一階に下りたら、キッチンのテーブルでのん気に食パンをかじってる弟と妹に会った。
あたしもこんな時間から急いでも無意味と思って充電器さして一緒にご飯を食べることにした。

表向きは普通のラーメン屋、その奥には普通の家庭が広がる一軒家。
あたしの前には弟のゆーたんと妹のみーたんの双子。


ゆーたん(ゆうき)は坊主で剃り込みを派手に入れて既に問題児。

まあな、あたしが多分学校内で一番問題児やって、入学してからあたしのグループの皆で可愛がってるうちに気づいたらゆーたんまで問題児の仲間入りしてしもた。

みーたん(みづき)も全く一緒の感じで気づいたら問題児になっててん。
鼻とかあらゆるとこにピアス開けだして「姉ぇみたいになりたいねん!」とか可愛いことゆうてメッシュまで入れだした。かわいいやっちゃ!髪はあたしと違って長いけど。

先生に呼び出されて「の弟妹どうにかならん?お前みたいなん3人はほんまにきついわ。」って言われたなあ、そういえば。



ほんで我が家の最強は熊みたいな兄貴で、熊みたいやけど高校時代にものっそいヤンキーやった。そこらへんで知らん人おらんくらい。
熊井4兄弟姉妹?全員こんなんとかもう救いようがないな!
でもちゃんとうちらは家族愛がすごいから大丈夫なのだよ。

「そーいやあんたら今日学校は?ちゃんといかなあかんやろー!」
「え?学校いかなあかんのやん。」
「桜中学いきなり創立記念で休みやで。せやから時間に崖っぷちは姉ぇだけや。」


おいおいまじかよ、と思ってリビングで充電してた携帯に電源入れたら大量のメールと着信のお知らせメール。
え、何?と思ってとりあえず一番古いメール…見たら昨日の夜11時。多分疲れ果てて寝てたな。
ちなみに蔵からやった。
『明日から朝練にも出てもらうから朝7時集合な!遅刻厳禁やで!遅刻したら昼飯おごりな、レギュラー全員分。』


サーッと血の気が引く。
昨日わかったけど時に蔵の笑顔は般若のオーラがまとってる。
他のメールはもう見やんでもわかる、怖いから全部削除。


「ゆーたん、みーたん。」
「その呼び方きもいからやめてや。」

「可愛いわたくしの双子の弟と妹よ…さらば!これがもし遺言になったときはあたしのベッドの下のポテトチップス関西だししょうゆ味食べていいから。」


あわててローファー履いて出て行った。






「般若勘弁!般若まじで勘弁!」

全速力でチャリ漕いでもはや競輪選手もびっくりで学校に着いて教室に着いたら1時間目始まって15分。


「先生ごめん!途中でダースベーダー現れたから倒しててん!」
ってゆうたら生徒全員ずっこけやがった。

何この学校まじで今すぐ帰りたくなってんけど。

とりあえず自分の席に座った。地獄の特等席・名づけて白石の隣…あ、逆?

ちゃん。」

横からすっごい優しい声が聞こえた。
あ、あれ?なんで優しい声やのに般若のオーラがまとってるんやろう。

ギギギ…という効果音とともに恐る恐る横を向いたら、般若…じゃなくて蔵の笑顔。


「ドウシタンデスカ、クサノスケサン。」
「今日なんで朝練こんかったん?」
「すいません携帯の充電切れてました本当ごめんなさい。」

呆れたような顔でこっちを見つめられた。
そんな見つめられたら照れる!って、違うか。

「まぁええわ。」

蔵がフッと男前に笑った。

「謙也、今日の昼飯学食食べ放題していいで。全部が奢ってくれるらしいし!」
「まじで?さすがやなあ!」

わざとらしく二人はニヤニヤしてこっちを見た。


慌ててカバンの中の財布見たら三千円。
絶対無理や、あいつら絶対遠慮ないもん1万円あっても足りるかどうか…。

「あ、そうや!」

いい事おもいついた!


「なあ、晩御飯やったらおごったれるで!」
「え?まじでゆうてんの?」
「おん!うちラーメン屋やねん、せやからラーメンとかでよかったら!」

「ほんまに?!まあ奢れっちゅうのは嘘やけど、帰り皆でいこか!」
「おん、ラーメン食いたいしな!」

え、奢れって嘘…?
なになに頭ついていかへんねんけど!

「なあ、どゆこと?」
「何が?」

「ええええ?奢れってゆうたやん!」
「嘘に決まってるやん。」
まだ気づかんのん?蔵にからかわれとるっちゅーことや。」

なんたることや!このあたしが初対面当然の人にからかわれたで!
気づくも何もあたしの周りの人間はガチで奢らせる奴ばっかやったのに!

「なんや、信じとったんかいな!俺らが女の子に奢らせるわけ無いやん。」
「んなもん金ちゃんなんか一人でどんなけ食うと思ってんねん、5万円かかるで。」

ご、ごまんえん!どんなけ食うねんあの子。
可愛い顔して胃ばけもんかよ。

「素直に信じて、お前案外可愛い奴やな!」
そういって蔵はあたしのかみをくしゃりとなでた。

不覚にもときめいてしまって顔赤くなったあたしは教室から逃げ出そうとも思ったけど、すぐに横から聞こえてきた「んー!エクスタシー!」って声に次は顔真っ青になった。



ジーザス

(謙也、今の何?)(気にしたら終わりやで。)