「ーー!!」 「あぁ。美穂。」 「次の授業は?」 勿論サボるよ。と答えていつも通り学校を出て適当に町をぶらつく。 学校では結構な問題児なのかもしれない。 あたし。高校1年のときに既に一人暮し. 親に捨てられたお陰と、オッドアイで片目が蒼かったお陰で惨めな一生送ってて 結構な人間不信。カラコン挿入。 「親なし捨て子」っていうことで小中学校とイジメにあってきたんだけど、高校生はやっぱ大人だ。 ビックリするくらいそんなの気にしない、といった感じで 普通に受け入れてくれた。心の傷が少し治りかけていた。 高校に入ってからだっけな、こんな不真面目になったのは。 けれど、バスケが元々好きだったために、部活だけは真面目にやってた。 15で不良と呼ばれたよーなんて曲あったね。 まさにそうだ。15で不良と呼ばれるようになった。 適当に遊んでた後、一旦学校に戻って屋上に行きタバコをふかしていた. 今日は肺に入れる気分じゃなくて・・。ただ何かしてるだけで良かった。 すると屋上に誰かが入ってきた。 入ってきた相手が誰だかすぐにわかってたので別に慌ててタバコを消すこともせず そっちのほうを見て目をそらした。相手は良く知っている友達だったから. 「巧ー。授業は出ないわけ?」 「に言われたかねぇよ」 現れたのは一之瀬 巧。二つ歳が離れてて 家が近かって。学校はギリギリ校区違うかったからたまに顔合わす程度だった。 で、偶然に高校でまた一緒になってたまに話す。 「巧さ。今日暇?」 「あー。暇っちゃあ暇.」 「じゃ、今日一緒に帰ろう〜」 決して付き合ってるわけじゃあない. 仲が良いだけ。気を使わなくて良いし、幼馴染だから本音も言える。 それと、なんか今日は巧と一緒に帰りたかったから、誘ってみた。 □□□ 放課後になって一緒に歩いてると、ナオキと言う人とレイラって言う人も合流した。 その人達とは初対面だったけど、ナオキとは仲良くなった。 ナオキみたいなノリの良い子結構好きだから。友達としてね!! レイラは、どこかライバル視を持ってしまっていて、あまり話さなかった。 しかも、制服同じだし。同じ高校・・?気付かなかった。 居たっけ?ってあたしが授業出てないから 知らないだけだと思う。まったくの初対面だ。 とりあえず歩こう!と言うことになって暫く4人で歩いていると 街中である4人組が厳ついオーラを放っていたのを発見。 (ゲッ・・!!!) 見なかった事にしよう。かかわって変になるとウザイから。 いかついというか、明らかにやくざっぽい。スキンヘッドなんて。 なのに巧は一番強面のスキンヘッド兄ちゃんに近づいて行った。 巧だけではなくて、レイラも。しかも笑顔で。 え、そこまで冒険者だったっけ!?巧って!! いつだって、結構面倒くさがりなとこあったのに! 「ちょっ!タ、タクミ?!」 置いてて行かれたあたしとナオキ。 ナオキはなんか自分の世界飛んでるし。 呼んでも止まることなくタクミはスキンヘッドの兄ちゃんの頭を叩いた. あたしはこのまま監禁されて殺されたらどうしようか、とか あたしはこの年ではまだ死にたくない!など考えてたが。 なんだか予想外に知り合いのようだったので安心して近づく。 ナオキとレイラとタクミはスキンヘッドの兄ちゃんのことを知っていて なんか久しぶりの再会って感じだったんだけど。 あたしは・・・ぶっちゃけ、なんでそんなにナオキが憧れの目で見てるのかとか まったくわからない。先輩とか?それとも、ここらへんじゃあ有名な・・地上げ屋? タクミそんな人とかかわってたっけ?まぁ、タクミも怖いことは怖いけど。 そっち系ならあたしのほうが詳しいよね。 いろいろ疑いや恐怖の入り混じった目で「ヤス」と呼ばれる人を見てたら バチッと目があった。 「どちらさんで?」 ヤスと呼ばれた男があたしを思いきり指差した。 指差すなんて失礼な。 「俺のツレ.中学は違うから、ヤスもしらねぇよ.」 タクミがそういうと、ふぅーん、というとよろしく、と握手を求めてきたので、あたしも手を出した。 (あ、笑った。) 怖い顔の人が笑うとなんとなく嬉しくなる。 「あ、・・・です・・。」 軽く会釈した。 スキンヘッドのヤスと呼ばれる男は高木泰士と言うらしい。 だから、通称:ヤス おどろいたことに、話しているうちに高校生だということがわかった。 「ヤクザかと思った・・・。」 聞こえないようにボソッというと、しっかりとみんなに聞こえてたらしく笑われた。 タクミとタメらしい。 (本当に、そういう風には見えません。) それから何日かして、ヤスと遊んだリして、かなり仲良くなった。 バンドの話とかしてくれるけど、内心良くわからなかった。 最近ヤスは前のバンドを抜けて新しいバンドに入ったらしい。 あたしはやっぱりバンドには興味なかったので聞いているふりをしていただけだけど・・。 まっ、とりあえずあたしは、次第にヤスのことが好きになってた。確実。 周りには居ないもん。あんな大人な男。 クラスのやつはチャラチャラしてるし、変に不良気取っててウザイ。 周りにはいないからこそ、惹かれるのかもしれない。 ヤスがドラム叩いてるところや、巧がギター弾いてるとこ、見た事無いけど なんか、話聞いてると好きな事やっててカッコイイと思った。 あたしも、バスケがんばろうかな、 ある日、ヤスの家に呼ばれて何かと思ったら、知らない男がいて。 黒髪のツンツクリン男、それと少し2人より幼い茶髪のツンツクリン男。 ・・・コスプレ? 普段、バンドとかにかかわった事無いあたしにしてみれば不思議な光景だった。 「。やっと来たか。」 そう言ってヤスは、吸ってた煙草の火を消した。 3人に注目されて居心地が悪い。 「だ、誰?」 「あぁ。こっちは、レン。これがノブ。」 「どうも・・。」 黒髪が、レンで、童顔がノブらしい。 紹介してくれても別にどうだって良いんだけど。 何で呼ばれたのかわからない。 人見知りなあたしは、知らない人が2人居るって言うだけでドキドキしていた。 もう帰りたいとまでも願った。 この4人で今日はいったい何をするって言うのだ。ぜんぜん検討つかない。 「ところで。本題だ。」 ヤスが真剣な眼差し。 これはなんか深刻な話しだと思ってヤスのほうを見た。 「俺らのバンドには、ナナって言うもう一人ボーカル居るんだけど・・ 単刀直入に言う。も俺のバンドで歌ってくれねぇか」 → -------------- 2005.06.27 2006.02.05 2008.09.13 |