朝 いつもどおり携帯のアラームがなって目がさめた.
ベッドから起き上がると、頭はなかなかさめてくれず、あくびをひとつ。
でも、時間が時間なので、立ち上がろうとしたら目に入ったもの。
それはずっと前から破って捨てようとした写真。
でもどうしても破りきれなかった写真。
白金時代のクラス集合写真。
一人だけ女だから、
それに片目が青い自分は,やはり目立ってる。
真ん中で、ピースして、楽しそうに笑っている。
慎達が卒業するとき、あたしはひとつ年下だった。
だから、仲間がいきなりいなくなって不安になるから
ずっといる予定のヤンクミに
3−Dが卒業しても,あたしの面倒は見てね!!と言ったら
「もちろんだ!」
なーんて言ってたのにね。
新学期学校来たらヤンクミ学校辞めてるもん.ビックリしたよ。
せめて一言くらい・・一言くらい言ってくれたら良かったのに。
もう先生なんか信じない。
確かにヤンクミは先生格付けすると最高レベルだったのに、その最高レベルでさえ裏切ったんだから。
それより下にいいものは無い。
だから、もう先生は信じない。
テレビの金八先生だって、結局はあんなの作り物。
もう作り物なんて、作り物でしかないことくらい知ってる。
なぜか慎達にも見捨てられたような気がして、勝手に怒りに包まれた覚えがある。
あのときは確かにあたしは慎に惚れていたんだと思う。
だから余計に悔しくて。
また忘れかけてた怒りが込み上げてきたせいで、胃がキリキリと痛む。
グッドタイミングに、我に返らせてくれた着メロ。
誰からかかってきたかを見てみるとタケだった。
「はーい?」
『あ!理佐?!今日学校やすみ?』
といきなり聞かれた。
「なんで?いつもどおり行くけど??」
何朝っぱらからわけのわからないことを?と思いながらもそういうと
次はタケの声じゃなくなってつっちーの声に変わって
『バカかよお前、今何時と思ってんだ?』
と笑われた。
急いで部屋に飾ってる時計を見ると10:13
ありきたりな寝坊のパターンと思った。
「・・すぐ行くわ.」
と言って電話切った。
シャワー浴びて、軽く化粧して、何も特に入ってないかばんを持って家を出た。
また先生に怒られるって・・・隼人拗ねるんだろうなぁ・・・
コンビニでなんか買って行ったら拗ねずにすむかなぁ、と毎回あたしが遅刻すると拗ねるD組のバカのことを考えていた。
コンビニで焼きそばパンを買い、早歩きしているとラーメン配達中のクマが居た。
警察から身を隠すかのようにとっさに物陰に隠れてクマがどっかいくのを待った。
「こんな時間からラーメン注文するなよ、」
そうつぶやきながらもまた早歩きを始めた。
できるだけ早く着きたいのに!
いまだに避けてる白金メンバー。
もう、かれこれ1年は1年半は話してないし連絡も取ってない。
本当は避ける必要なんて、これっぽっちもないのに。
いまさらな気がして、会えない。
なぜか避けてしまう。
(あ、自分の朝ごはん買うの忘れてた・・・!!)
なんとか学校の前についた.
そして、少し離れて自分的に、けっこう好きめのアートがしてある
学校とは思えない場所に入ってく。
一言で言えば、倉庫だ。倉庫。
―――ガラガラ―――
扉を開けていつもどおり3Dに入った。
相変わらずにぎやかで、あたしの登校に気づいた人は少しいないと思う。
「おはよ」
少し笑顔で言うと
「いやいや!!おはようじゃねぇから!」
日向に突っ込まれたが、今日も来ていない竜の席を見て誰にもわからないようにため息をつくと
隼人の隣の席・・・バカに強制的に決められた席に腰掛けた。
今まで4人組と戯れてた隼人が横に寄ってきて肩に手を置いて私の髪の毛をいじり始めた。
「理佐遅い。」
と拗ねたように言う隼人。ほら、やっぱり拗ねてる。
「寝坊した.」と一言言うと「バーカ」と一言言われたけど,バカにバカとは言われたくないので
それを軽く無視して携帯をいじるとさらに拗ねて
ほっぺたをつついたり引っ張ったり。
うっとうしくなったので軽く睨むと、つまらなさそうに唇を尖らせた。
「拗ねちゃった」
笑いながら今度は理佐が隼人のほっぺたをつつく。さっき買ってきた焼きそばパンで機嫌を直してもらおうとコンビニ袋をちらつかせると、不機嫌がうそみたいに直った。
教卓に立ってる先生はもう呆れてものも言えないようだ。
一人でしゃべっている。
今日も無事授業が終り席を立ったら
「理佐ーー!」
タケよりも、ちょこっとだけ背の高いあたしに後ろから抱き付いてくる。
やっぱタケは可愛いなー・・って。
癒されるなぁ・・.
おもって思わず口元が緩んだ.
「どうしたの?」
「今日皆で遊びに行こうぜ!」
とタケの可愛い笑顔でいわれた。
こんな可愛い笑顔されたら断れない・・・!
けど、でも今日は・・。
「ごめんね〜!今日は用事があるんだ.」
と両手を合わせて謝った。
「じゃあ明日は行こうニャ〜」
「約束にゃ〜」
と横から日向とつっちーも猫のポーズをしながら話しに入ってきた。
タケも、「にゃ」といって3人同じポーズをしたので、つい笑ってしまう。
「はいは、じゃねっ。」
そういって教室を出た。
今日は、あたしに行く場所が有る。
隼人たちには絶対にいえないし、もし行ったら完璧に拗ねやがる。
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